2015-03-11

図書館界の中だけにおっても、ダメやん!
(大学教育改革フォーラムin東海2015 参加報告)

3月20日に京都でお話しする件、あと10日を切り、やや焦ってきています。あれこれ考えるところはあれど、まとめるのはなかなかに難しいものです。
4月18日のコーディネーターを務める方も、そろそろ準備を始めないと・・・。(焦)



★概要


さて、3月7日(土)に開催された標記フォーラムに参加してきました。開催主旨やプログラムは、公式サイトにてご覧ください。
ライブラリアンとして直接関わりが深いのは、セッション4「図書館での学習支援とその担い手の新たな役割」でしょうか。

近年は、こうした大学関連のフォーラムの中にも、大学図書館関連のセッションや分科会が設けられることが多いように思います。従来の研究・授業支援だけでなく、アクティブ・ラーニングや学習支援といった文脈の中で、大学図書館への期待が増しているようにも感じます。

そのためか、最近はこうした大学全体に関するフォーラムに参加するライブラリアンが増えてきたような気がします。



★図書館界の中だけにおっても、ダメやん!


この日最も強く感じたことは、ライブラリアンは図書館界の中でだけ頑張っていてもダメ、ということです。これは強く、伝えておきたいです。

こうしたフォーラムなどで、図書館の外の世界ではどのような改革を行おうとしているのか、教育がどこへ向かおうとしているのかを把握しておかないと、図書館サービスも何もありません。

誤解を恐れずに言えば、従来図書館が行ってきたサービスは、大学や教育全体を見たときには、幹ではなく枝葉です。「図書館員は専門職」と言って、その枝葉を精緻にデッサンしたところで、決して幹にはなれません。
図書館を離れ、こうした場で大学や教育を語り合うことこそ幹であり、幹がしっかりしてこそ枝葉があるのだと思います。


★感銘!基調講演「大学教育改革を進めるために必要なものとは」


この日最も感銘を受けたのは、追手門学院の秦敬治副学長の基調講演でした。これだけでブログ記事1つを書きたいくらい(笑)。

  • 冒頭の問い「そもそも、教育とは何か?それぞれの大学の中で、本当に話し合っているのか?」は、このフォーラムの意義そのもの。討論の根幹であり、一番大切なところ。

  • 「教育改革の旗手は誰か?教育理念単位でリーダーが必要」というお話も。そして、それゆえに図書館にもリーダーが必要だし、大学の中で教育改革に積極的に関与しなければならないのだと感じた。

  • 「FDではなくFurure Designにしよう!学生の未来、教職員の未来、学部の未来、大学の未来、そして社会の未来」という呼びかけ・・・いささか、グッときた!

  • 秦先生が前にいらした広島工業大学で、全学の教員が集まって3日間徹底的なFDワークショップを実施した、本当に素晴らしい事例
    これは、私が昨年まで短大図書館にいたときに、考えていたことでもある。キャンパス全体(短大と大学の学部1つ)の教職員を全員集め、このキャンパスでどういう教育をするのか、最低丸一日かけて(できれば合宿でもして)徹底的に議論するべきだと、館長や上司に申し上げていた。
    私はそこまで漕ぎ着けられなかっただけに、実現できた秦先生にただ敬服。

  • リーダーはやはり情熱、そして人を動かす言葉を持たなければいけない。広島工業大学に限らず、この秦先生の思いや熱い言葉に触れ、教育改革に取り組んだ組織や人は少なくないだろう。




★その他のプログラム


この日行われた多くのプログラムのうち、印象的だったものを。

  • ポスターセッションは、様々な教育テーマが充実していた。
    特に印象的だったものは、コンソーシアムの機能と規模について考察した「我が国の大学コンソーシアムの類型化の試み」(名古屋大学大学院・中元崇氏)、シャトルカードをもとに学生の学習態度の変化について考察した「アクティブラーニングの能力獲得を目指した情報リテラシー教育の実践報告」(東海学院大学・佐藤尊範氏)。

  • 「図書館での学習支援とその担い手の新たな役割」セッションで良かったのは、「米国大学図書館のサブジェクトライブラリアン調査報告」(伊藤舞氏・佐藤美穂氏・吉田有希氏・森彩乃氏)。主題のプロフェッショナルであるサブジェクトライブラリアンについて、学習支援という切り口から視察調査した興味深い報告。
    若手ばかりのチームながら、発表をよく練って準備していた印象。ゆっくり丁寧に話すプレゼンや、文字数を絞って読みやすくしたスライドに好感。

  • 「大学業務の高度化と大学院での学習」セッションでは、職員を学内大学院に授業料免除で入学させる制度を紹介した「大学職員が大学院で学ぶ意味」(京都産業大学・岡和寛氏)、学生スタッフによる授業支援や独特の職員関与制度について発表した「教育改善における職員の役割」(関西大学・竹中喜一氏)の2発表が、とても良かった。いずれももとても聞きやすく、講師の話し振りの力量の大切さを感じた。


大学教育改革フォーラムのような場に来ているのだから、図書館以外のテーマのセッションに出ようかな・・・と直前までかなり迷いました。
ライブラリアンだから図書館セッション、と決めつけるのではなく、こうした場だからこそ、もっと大学や教育の根幹部分での討論に参加するべきなのではないか、と考えていたからです。

でも結局、図書館関連セッションに出席したのですが(笑)。「図書館界の中だけにおっても、ダメやん!」と言いつつ、なかなかそこから脱却し切れない私。

ともあれ、非常に有意義な1日でした。貴重なお話をお聞かせくださった秦先生、登壇者の皆さん、事務局の方々、ありがとうございました!



●れいこと

最後にまた、れいこ&きょーこの話を。
先日、きょーこの1歳半検診に行ってきました。妻が忙しかったので、私が年休をもらって一人で連れて行きました。


きょーこは、待ち合いのキッズスペースで大暴れ。おもちゃを振り回し、叫び声をあげ、マットの上をゴロゴロし・・・2時間あまりの検診の間(大半は待ち時間)、大喜びで過ごしました。
途中、絵本の読み聞かせをしていたら、いつの間にやら子どもたちの輪ができていて、一躍子どもたちとママさんたちのヒーローになった私。(笑)

思い返せば、れいこもこうして検診に連れて来たものです。元気に育ってくれると思い込んでいただけに、今となっては悲しい記憶ですが・・・。

きょーこ、れいこお姉ちゃんの分まで元気に育つんやで〜!
れいこも、応援してや〜!


余談ながら。
今回の検診には何十組の親子が来ていましたが、お父ちゃん一人で子供を連れて来ているのは私一人。検診や保育園、小学校の参観日など、ホントにお父ちゃんの参加が少ないですね。ましてお父ちゃん一人なんて、ほぼ皆無。(苦笑)
お父ちゃんたち、もっとわが子と一緒に出かけようで〜!



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