2012-03-24

病気と明るく強く闘う、れいこ
【第263~271日目: 3月16日(金)~24日(土)】

2011年6月28日に始まったれいこの闘病記、263~271日目です。
(初めての方は、まず初日・2011年6月28日のエントリーをご覧ください)


<●お願い>

このブログには、れいこの病状に関する情報を、ほぼそのまま掲載しています。
一方で、れいこの回復が厳しいこと、余命まで告げられたことは、本人には伝えていません。
れいこに話しかけて頂く際はもちろんですが、れいこに接する可能性のあるお子さん方にお話される際、ご配慮をお願いします。

お子さん方には、「れいこが頭にできた、悪いできものと闘っている。治るまでには、まだだいぶかかりそう」といった言い方にして頂ければ、幸いです。

「命が危ない」、「余命1~2年」といった部分については、特に配慮ください。れいこのためにも、お子さん方のためにも。

このような危惧をしつつも、あえてブログでの情報発信を行っています。皆さまのご配慮・ご協力をお願いいたします。



○さらに悪化する症状

前回お伝えしましたとおり、れいこは3月15日(木)に退院しました。
退院前の検査により、腫瘍そのものは縮小していることが判りました。これは、想像以上の結果であり、非常に喜ばしいことです。

現地に倣ってネパール料理を素手で食べる、れいこ。


腫瘍自体は小さくなっているのにも関わらず、残念ながられいこに出ている症状は、猛烈に悪化してきました。先日もお伝えしましたが、あれからもさらに悪くなっています。
  • 元々の左半身の麻痺の悪化。
    左手足は、ほぼ全く動かなくなりました。左手の握力は、ゼロです。

  • 右半身の麻痺。
    特に右足の麻痺は顕著で、歩くことはおろか、自分で立ちあがることもできません。このため、今は車椅子やベッドから離れることはありません。
    右手も麻痺が進んできて、食事なども難しくなってきたようです。握力も、以前の半分もありません。

  • 猛烈な眠気。
    大脳に強い放射線を当てているため、強い眠気を生じています。退院前後から、1日17~18時間眠ることが多くなりました。学校にも行っていますが、半分以上はダウンして保健室で過ごしています。
    ただしこれは、放射線治療が終わりましたので、1ヶ月程度で改善される可能性があるそうです。

  • 顔面の麻痺。
    眠気もあるのでしょうが、瞼が下がって、あまり目が開きません。口元も麻痺しており、食べ物を溢したり、涎が垂れたりしています。表情も、左右対称ではなくなりました。

  • 脱毛。
    これは一過性のものですが、放射線治療により、脱毛のピークを迎えています。頭の数カ所が、ごっそり抜けてしまいました。

  • 食欲不振。
    食事量が極端に下がり、平均して以前の2~3割程度しか、食べられません。

  • 手足の冷え。
    左手足・右足を使えないことで、非常に手足が冷たくなり、寒がるようになりました。場合によっては、布団から出てきた直後でも、手足が冷え切っていることもあります。数日前から足湯に入れたり、手足にカイロを貼るなど、対策を練っています。

  • お通じの悪さ。
    慢性的に、便が出にくくなっています。尿も出が悪く、トイレに行ってから5分くらい頑張ったりします。

症状だけを見ますと、絶望的に状況が悪くなっています。
ただし、腫瘍そのものは小さくなっていますので、何とか持ちこたえて欲しい・・・と強く願う日々です。れいこ、ガンバレ~!

余談ですが、お通じの件。
れいこは大きい方を「ルートミネア」、小さい方を「アビリシアン」と呼んでいます。「ルートミネア、出ないな~」と言った感じで。
どうやら人前で「大きい方」などと言うのが恥ずかしいようですが、何故こんな名前なのかは、よく判りません。(笑)



○新生活の環境整備

退院前後は、トイレに行く場合など、私が必死に抱きかかえていました。
・・・が、2日で腰が痛くなり、完全にギブアップしました。このままでは近い将来ぎっくり腰になり、親子でダウンするのは明らかです。
まして、腰痛持ちの妻には、とてもれいこを介助することはできません。

片手で遊べるWiiのゲームに励む、れいこ。

・・・と言うわけで、きちんとしかるべき支援を受けることにしました。
脳腫瘍など小児慢性特定疾患に該当する患者は、公的なサービスを受けることができます。れいこは、聖隷訪問看護ステーション宝塚さんに、週3日の訪問看護+リハビリをお願いすることになりました。

看護師さんたちは、れいこの入浴サービスなどをやってくれるほか、抱きかかえなどの介助ノウハウをいろいろと教えてくださいます。
対応も迅速で、退院翌日には駆け付けてくださって、その日からサービスを始めてくださいました。
看護師さんたちは、明るくとても親切な方々で、れいこは大喜び。看護師さんたちにあだ名を付けて、来てくれるのを楽しみにしています。


また、宝塚市育成事業所から、福祉用品をいろいろとレンタルしました。
電動昇降機付きの座椅子、室内用車椅子、介護用電動ベッド、室内用トイレ、入浴用車椅子、段差用スロープ等々。

この訪問看護ステーションと育成事業所は、しっかりと連携が取れていて、素晴らしいサービスぶりです。訪問看護の方に相談すると、すぐに育成事業所から連絡が取れ、あっという間に物品を手配して持って来てくださいました。
候補の品を複数持って来て選ばせてくれたり、より適したものがあるとすぐにそれを届けてくれたりと、素晴らしい対応ぶり。
とにかく、この訪問看護ステーションと育成事業所の仕事ぶりは、素晴らしいです。


また、介助のことでは、「れいこ お助け隊」はじめ大勢の皆さんから多くの情報を頂き、とても参考になりました。介助情報をくださった方、本を教えてくださった方、関連団体の紹介をくださった方・・・。

これらの支援や情報のおかげで、劇的に親の負担が減りました。私の腰痛も、数日で治まり、何とかやっていけそうです。
訪問看護や育成事業所の皆さん、「れいこ お助け隊」の皆さん、情報を寄せてくださった皆さん、本当にありがとうございました~!



○水木一郎さんショーに参加!

先日れいこにとって、とても嬉しい機会がありました。
大好きな水木一郎さんの歌を、ナマで聞く機会があったのです!

先日テレビで、水木さんのマジンガーZを聞いて以来、熱烈な大ファンになった、れいこ。
今回「れいこ お助け隊」の方から、ひらかたパークに水木さんが来るという情報を頂き、駆け付けました。

当日は、会場前からひらパーに行って、最前列でかぶり付きです(笑)。もちろん、マジンガーZも、振り付きで絶叫してきました。
ステージの途中、手を振るれいこに、水木さんはステージから身を乗り出して手を振り返してくれました。れいこは、「涙が出るほど、嬉しかったわ~」と大喜び。

ステージの後は、サイン付きCDを買ってもらい、ご満悦のれいこでした(サインはコピーですが・・・)。


間違いなくこの日は、れいこにとって、特別な一日になりました。これだけの喜び、絶対にれいこの生きるチカラになったと思います。

水木一郎さんには、本当に感謝しています。ありがとうございました。



○れいこの帰省。

れいこは、今日24日(土)から、お母さんの実家の愛知に帰省中です。
今回のこともあり、介助の手も必要ですので迷っていたのですが、おじいちゃんや従兄弟が一緒に助けてくれることになりました。
これから1週間ほど、田舎でのんびりする予定です。

実家からは、れいこの叔母や従兄弟が迎えに来てくれました。
大きなクルマなので、車椅子2台やもろもろを持って、お母さんと一緒に出発した、れいこです(お兄ちゃんは部活で、明日単独新幹線で帰省予定)。

震える右手でお礼のメールを打つ、れいこ。

私も束の間、介助から解放されることになります。
図書館系の勉強会なり、空手の道場なり、ランニングなり、自分の時間も大事にして、リフレッシュしておきたいと思います。

・・・あ、山積みになっている仕事もしないと!(汗)



○5年生も終わり・・・みんなへの感謝!

れいこは地元小学校にて、5年生の終業式に出ることができました。
2度に渡る長期入院や院内学級への転向、半身麻痺の中での運動会や自然学校など、いろいろありましたが、先生や友達に支えられ、何とか1年間を終えることができました。
<終業式の後、頭痛+発熱でダウンし、保健室からの帰宅となったのがご愛嬌です~。

太陽の塔のふもとで梅見をする、れいこ。

それにしても、れいこは本当に先生方にも恵まれました。
担任の先生は、とにかくれいこのことを心配してくださいました。れいこも私たちも、この先生が大好きです。

加配で来られたれいこ専属の介助の先生も、とても親切な先生でした。この先生は今年限りで、終業式の後は涙ながらのお別れでした。

また、保健室の先生や校長先生も、いつもれいこのことを心配してくださいました。この先生方は、わざわざ大阪の入院先まで来てくださったこともありました。
このところれいこは毎日ダウンして保健室に通っていたのですが、この保健の先生がいらしたおかげで、ずいぶんと救われていたようです。


もちろん、日々を過ごすクラスメートの存在も大きかったです。
れいこが学校に戻った日の朝、みんなが「れいこ、お帰り!」と言ってくれたとき、私たち親子がどれほど嬉しかったことか!

また、多くの親御さんがれいこのことを心配し、声をかけてくれることにも、励まされる思いです。こうしたお声がけに、れいこが愛され応援されていることを、強く感じます。


先日、れいこの通っていた道場が主催する空手大会に、応援に行きました。道場に行くのも、数ヶ月ぶりです。
れいこは退院直後で体力もなく、1時間くらいしかいられなかったのですが、大勢の子どもたちや親御さん、先生方が、れいこを気遣ってくださいました。

「早く治して、戻って来てや!」と声をかけられたれいこは、とても嬉しかった様子。帰り道に何度も、「みんなに会えて嬉しかった」と喜んでいました。


先生方、クラスの友達やそのご父母の皆さん、道場の皆さん、一年間本当にありがとうございました。親子ともども、感謝の気持ちでいっぱいです!



<●最後に、れいこへ。>

れいこへ。

まずは、終業式おめでとう。
この10ヶ月、本当によく頑張ってきたと思うよ。
頑張り屋さんのれいこらしく、治療にも学校にも全力投球やったね!


終業式の日の朝起きてすぐ、「先生たちに、お礼を言う!」と言いよったね。
それを聞いて、お前が本当に真っ直ぐ育ってくれたと思ったよ。
今は病気で苦しんどるけど、みんなに負けずに大人になっとる。


昨日、お父さんの誕生日の前祝いに、大好きなエビスビールをくれたね。
これは、本当に嬉しかった!



帰省するからって、内緒でビールを買ってくれとったんやね。誕生日には別々かもしれんけど、このビールを頂くけんな。
たぶん、今までに飲んだどんなビールよりも、美味しいやろなあ。

お父さん、その気持ちにちょっと涙が出た。
自分がこんなにしんどいときやのに、お父さんの心配をしてくれる、れいこ。

辛い病気の間も、お前は一歩ずつ成長してくれよるね。
頑張り屋さんなところも、その優しさも、ずっとお前の財産になるよ。


じゃけん、絶対に病気を治そうや。
ずっと、お前の成長を見守っちゃるけんな、れいこ。

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