2009-11-04

人に何かを学んでもらうこと。それは、聞いてもらうことではなく、伝えること。(その3:完結編)

 
いつも、雑談から入るこのブログ。

昨日は、篠山チルドレンズミュージアムに行ってきました。
広い庭で暴れたり、巨大シャボン玉を作ったり、図書室で本を読んだり。中でも、世界の衣装体験コーナーで、大はしゃぎ!

スペイン人な息子と、チアな娘。

帰り道の途中、何故かふらりと陶芸教室へ。
私も「武骨」をテーマに、おちょこを創ってきました。焼き上がりが楽しみです。

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さて、今日の本題。
先日より、何度かに分けてレポートしている、NII学術情報リテラシー教育担当者研修、いよいよ最終回です!今日は最終日、3日目の様子をお伝えしたいと思います。

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「文献情報検索ツールの現在 ~CiNiiを例として~」
(講師:NII 小林 廉直氏)


講師は、国会図書館勤務で雑誌記事索引をご担当の後、NIIに移籍された小林さんでした。まだお若い感じでしたが、この分野のご経験が豊富で、詳しいお話を伺うことができました。

お話は、まずCiNiiの理解から。1,239万件の記事の構成やユーザ層などについて、説明がありました。
その上で、講師がリテラシー教育に望むことを、お聞かせくださいました。
CiNiiについて言えば、理想的には案内不要のインターフェース(先日のリニューアルでだいぶ解消とのご理解)を実現したいが、それでもリテラシー教育が必要だろうと。
また、コアユーザの育成、学術情報基盤としてのステータスアップなどを、今後の課題とされていました。

図書館に関連して言えば。
ユーザアンケートによると、彼らがCiNiiを知ったきっかけのうち、かなりの比率で図書館が貢献しているということです!
多くのユーザが、図書館サイトや紹介、授業・講習会での紹介などで、CiNiiを知っているということが、数字的に表れていました。例えば20代前半のユーザであれば、2/3の方が、こうしたきっかけでCiNiiを知ったと回答しています。

今や最もポピュラーな雑誌記事検索手法の普及に、図書館がかなり貢献しているということは、肯定的に受け止めて良いでしょう。
(ただし、授業・講習会のうち、どれだけに図書館が関与しているかは、ここからは読み取れません)

また、嬉しい情報が2点。
  • CiNii著者検索(仮称)が準備中。
    2010年4月から、同姓同名問題の解決のため、著者を同定するためのアルゴリズムを導入予定、現在開発中とのこと。

  • 科学技術分野の古い記事情報の追加。
    NDL-OPACでは検索できて、かつCiNiiでは検索できない記事が、古い科学技術分野の記事に多数あるが、今年度中に解消予定。

質疑応答の時間で、またまた臆面もなく挙手してしまいました。
案内不要のインターフェースを目指したいということでしたが、現実的にかなりそれに近いのではないか、少なくとも私はそう感じている、ということをお伝えしました。

しかし、小林さんのお話によると、まだインターフェースに関するリクエストは寄せられているそうです。それは、デフォルトで詳細検索できない、NOT検索ができない、学会別ディレクトリに関する要望などがあるそうです。
NIIさんとしては、まだ完成形として考えている訳ではなく、更に改善を目指していくとのことでした。

小林さん、貴重なお話と質問へのご回答を、ありがとうございました!非常に丁寧なご説明ぶりで、判りやすかったです!

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そして、この講義の後は、グループ討議へ。
グループ討議は、3日間に渡って、少しずつ進められていました。課題は、学術情報リテラシー教育を実施する上で必要な要素に焦点を当て、問題の検討を行うというものでした。

3日間の取りまとめとして、最後に各班で話し合った成果を、パワポを用いてプレゼンを行う形式でした。そのプレゼンを受けて、コーディネーターの野末先生やフロアがさらに意見交換を行う、というスタイルでした。

私たちの班は、学術情報リテラシー教育には、教員との連携が不可欠だろうという視点から議論を重ね、以下のようにまとめました。
  • 教員との信頼関係の構築が何よりも大切。そのためには、レファレンスなどにきちんと回答することはもちろんだが、日頃のコミュニケーションを大事にする。
    例えば、田舎から送ってきたみかんがあれば、研究室に行くときに、さりげなく(わざとらしく?)ぶら下げていく。/「昨日もタイガース、負けましたね!」と廊下ですれ違いざまに声をかける。/喫煙コーナーで雑談をする・・・等々。

  • こうして築いた信頼関係をもとに、双方ともが、気軽に相談ができるようになる。また、お互いに気遣いなく率直に意見を交換できるようになる。

  • 率直な意見を交換をもとに、ニーズに合わせた学術情報リテラシー教育が可能となり、さらに信頼を得る。こうして、信頼関係がどんどん強化され、信頼のスパイラルとでも呼ぶべき良好な循環となる。

  • 何しろ、「信頼」がキーワード!「信頼」、「信頼」!

私は何故か、ウチの班の司会をすることになってしまいました。
プレゼンもあるのに、大丈夫かな・・・と思ったのは、最初だけ。非常に積極的なチームで、私は何もしなくてもどんどん話が進みました。
<その意味では、前の週の近畿イニシアティブの班と同じ、素晴らしいチームでした。

私の班は、B大学のHさん(バレバレ)が、プレゼンをしてくださいました。
長く京都にいらした方らしく、ちょっと落ち着いたいい雰囲気で、語りかけるようにプレゼンをして頂きました。
<ああいうのを、「はんなり」っていうんでしょうか?何しろ、素晴らしかったです!

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このグループ討議を経て、研修会は終了しました。
修了証も頂き、残っておいでの野末先生やNIIのコーディネーターHさん、ホストの大阪大学さん、他の皆さんともお礼とお別れのご挨拶。

・・・が、ここで終わっちゃダメですよね?
3日もあった研修が終わったら、当然懇親会でしょう!!私は、勉強や研修会も100%で臨みますが、懇親会も100%で挑んでいます。
<50%ずつじゃなくて、100%ずつです、ハイ。

この研修でも、初日にオフィシャルな懇親会がありましたが、それじゃ足りません。(笑)3日間、親しくなったからこそ、もう一度お誘いです。

実はこのとき、ちょうどFuture Librarian 全国図書館大会U40プレミアセッションの直前で。厚かましくも、NIIのコーディネーターHさんと大阪大学さんにお願いして、マイクでPRする時間を頂く段取りにしていました。
そこで、厚かましいついでに、もう一交渉。

井上:「あのー・・・U40プレミアセッションのついでに、今晩の飲み会のお誘いしたいんですけど、マイク使わせてもらえませんか?」
Hさん:「どうぞ!」(間髪入れず、即答!)

・・・という訳で、堂々とマイクを使って、「今日飲みに行くで~」とアナウンス。おかげで、急なお誘いにも関わらず、14人もの方々がご一緒くださいました。

3日間の研修が終わり、お近づきにもなっていましたし、解放感に満ちた(?)懇親会は、大いに盛り上がりました。ええ、それはもう。(笑)
<写真がありますので、参加された方でご希望があればお知らせください!

こうして一緒にビールを飲んだ人は、ずっと仲間ですよね。何だかもう、いつでも何でも相談できるような気になってます。(笑)

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ここで、繰り返しになりますが、もう一度言っておきます。

<今回の最大の収穫、2点。>

  • 今まで大事だと思ってきたことは、やっぱり本当に大事。それを再認識。
    図書館員同士のコミュニケーションであり、教員との信頼関係であり、学生さんの視点に立つことであり・・・。

  • 大勢の人たちと知り合えたこと。
    多くの皆さんと知り合えて、本当に良かったです!いろいろなお話を伺って、「みんな思いを持っとるんやなー、ええなー」と共感。
    特に講師の先生方からは、強い思いを感じるところ大でした。

飲み会で大勢とご一緒し、大いに語り合った後では、余計にこれを実感する私。

また、講習全体を通じて学んだことがあります。
リテラシー教育というのは、話を聞いてもらうことではありません。どれだけのことを理解してもらい、伝え、考えてもらえるか、ということです。
私たちは得てして、何を話すかばかり考えがちですが、これが本当に大事な点ですね!

講師の皆さん、HさんはじめNIIの皆さん、大阪大学の皆さん、こうしたことを学ぶ貴重な機会を与えてくださって、本当にありがとうございました!
また、参加された皆さん、お疲れさまでした!これからも、お付き合いをお願いします!

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<どうでもいい独り言>

最近、ムリムリにあちこちの研修や勉強会などに、参加しています。
出張であったり、個人参加であったり、スタッフであったりと、いろいろなパターンがありますが、充実した日々が続きます。

皆さんもぜひ、どんどん外へ出て、交流していきましょう!きっと、いい刺激を受けることができますよ。
外で多くの方々にお会いすると、前向きオーラが自分から出ていますのを感じます。(笑)

一方で、犠牲になっているものも、多々。
仕事もそう、家庭もそう、空手もそう。(笑)
これらについても、遅れを取り戻すべく、鋭意努力中!
 

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